釉薬って、器の表面をつるんと美しく見せる“魔法のひと手間”みたいな存在ですよね😊✨
でも「どうやって色が出るの?」「何でできてるの?」など、詳しく知ろうとすると少しむずかしく感じる方も多いと思います。

釉薬って脇役になりがちだけど、いろんな色付けできるから不識だよね
この記事では、初めての人でもスッと理解できるように、釉薬の意味・成分・種類・作り方までやさしくまとめてお伝えします🌿
越前焼など、福井の伝統工芸に触れる機会が多い方にも役立つ内容ですよ。
1️⃣ 釉薬(ゆうやく)とは何か?
読み方・役割・器が美しく仕上がる仕組みがわかる
2️⃣ 釉薬の成分・種類
シリカ・灰・金属酸化物などの違いと代表的な釉薬をやさしく解説
3️⃣ 釉薬の作り方と色の変わる理由
釉薬づくりの流れ、焼成と発色の関係、自然釉との違いまで理解できる
釉薬(ゆうやく)とは?|読み方と“器がツヤツヤになる理由”

釉薬(ゆうやく)は、焼き物の表面をツヤっと美しく仕上げる“ガラスの膜”のことです😊
器がきれいに見える理由は、この釉薬が高温の窯で溶けて透明〜半透明の膜になり、土の表面をコーティングしてくれるからなんですね。

例えば、素焼きの器と釉薬をかけた器を比べると、色・光沢・手触りがまったく違い、強度もぐっと上がります。
釉薬は「美しさ」「強さ」「使いやすさ」を同時にかなえてくれる、焼き物に欠かせない大事な存在です🌿✨
釉薬(ゆうやく・うわぐすり)の読み方
釉薬は「ゆうやく」と読み、別名で「うわぐすり」と呼ばれることもあります😊
どちらも“器の表面にかけるガラスの材料”という同じ意味で使われています。
学校の図工では「うわぐすり」、陶芸の世界では「釉薬」という言い方が一般的です。
読み方を知っておくだけでも、展示会や本で出てきたときにスムーズに理解できて安心ですよ🌟
表面がガラスの膜になるしくみ
釉薬は、高温で焼くと“ガラスのような膜”に変わります✨
これは、釉薬の中にあるシリカ(ガラスの主成分)が、窯の熱で溶けて滑らかな膜をつくるためです。

溶けた釉薬は器の表面にふわっと広がり、冷えると透明や半透明のガラス質に固まります。
この変化によって、色やツヤが生まれたり、手触りが良くなるだけでなく、汚れや水分にも強い器になります😊
陶器・磁器・琺瑯で使われるのはなぜ?
釉薬が多くの器に使われる理由は「美しさ」と「使いやすさ」を同時に叶えてくれるからです🌈
陶器や磁器はそのままだと水を吸いやすかったり、傷がつきやすい性質がありますが、釉薬をかけることでしっかり保護されます。
また、色・模様・質感も自由に出せるため、作り手が“うつわの表情”を表現するためにも欠かせない存在です。
毎日の食卓で安心して使える器になるのは、この釉薬のおかげなんですね😊
✨釉薬(ゆうやく)とは?|基本がひと目でわかる表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | ゆうやく/うわぐすり |
| どんなもの? | 器の表面にできる“ガラスの膜” |
| 役割 | 色・ツヤを出す/傷や汚れから守る/水を弾く |
| どうやってできる? | 高温で焼くと溶けてガラス状に固まる |
| 使われる器 | 陶器・磁器・琺瑯など幅広い |
| 見た目の変化 | ツヤ・マット・透明・結晶など多様な質感が生まれる |
釉薬の役割とは?|器をきれいにする3つの働き

色・ツヤ・模様をつける「見た目の役割」
釉薬は器の色・ツヤ・模様を決める“デザインの主役”なんです🎨
金属成分や焼成によって色が変わり、同じ土でもまったく違う表情が生まれます。
一つとして同じ仕上がりがなく、世界にひとつの器ができあがるところが魅力。
窯から出てきた瞬間の“出会い”も、釉薬ならではの楽しさですよ。
固くして傷をつきにくくする「守る役割」
釉薬が焼き上がると表面にガラスの層ができ、器が驚くほど丈夫になります✨
買ったばかりの器を長く使えるのは、釉薬がキズや摩耗から守ってくれているから。
とくに毎日使うお皿や茶碗は、釉薬の“保護力”がとても大きな役目を持っています。
見た目と同じくらい、実用面でも頼れる存在なんですね。
水や汚れを弾いて安心して使える「実用の役割」
釉薬がかかっている器は水分をしっかり弾くため、お手入れもしやすく衛生的です😊
油汚れもスルッと落ちるので、日常づかいの器に釉薬が多く使われる理由がよくわかります。
素焼きの状態とは違い、食事の色移りや匂いも抑えてくれるのが嬉しいポイント。
見た目・強さ・使いやすさの3拍子がそろうのが釉薬の魅力です。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 見た目をつくる | 色・ツヤ・質感を生み、器の表情が豊かになる✨ |
| 器を守る | ガラス膜でコーティングされ、傷つきにくく長持ちする🌿 |
| 使いやすくする | 水や汚れを弾き、においが染みにくく衛生的😊 |
釉薬の種類とは?|代表的な釉薬の色と特徴

透明釉(とうめいゆう)
透明釉は名前のとおり“透明なガラスの膜”で、土そのものの色や模様をきれいに見せてくれる釉薬です✨
越前焼のように土の表情を活かしたいときによく使われ、素朴さとツヤのバランスがとても心地よい仕上がりになります。
料理の色も映えるので、日常使いの器にも向いています。
“素材そのものの美しさを引き出す”やさしい役割の釉薬です。
灰釉(はいゆう)
灰釉は草木の灰を使った自然派の釉薬で、やわらかな緑・黄色・灰色などの穏やかな色合いが特徴です🌿
焼成の温度や灰の種類によって色が変わり、二つとして同じ表情が出ない“自然の揺らぎ”を楽しめます。

和食器や素朴な雰囲気の器との相性がとても良いんですよ。
落ち着いた風合いで、使うほど愛着のわく釉薬です。
鉄釉(てつゆう)
鉄釉は鉄分を含むため、茶・黒・こげ茶など深みのある渋い色が出ます🔥
重厚感があり、男性的でシックな印象の器になるのが魅力です。

特に抹茶椀や湯呑など、落ち着いた雰囲気を出したい器によく使われています。
“土と炎”の世界観が強く出る釉薬で、工芸らしい存在感があります。
銅釉(緑・青・辰砂など)
銅釉は銅の成分が色を左右し、緑・青・赤(辰砂)と幅広い表情を見せる釉薬です🎨
焼成環境によって色の出方が大きく変わるため、窯から出るまで職人さんもドキドキなんです。

とくに深い緑や鮮やかな赤は人気が高く、“宝石のような輝き”が生まれます。
色の変化を楽しめる、芸術性の高い釉薬です。
錫釉(すずゆう)
錫釉は白く優しい色合いが出ることが特徴で、ふんわりとしたマットな白を表現できます🤍
ポルトガル陶器や中東の焼き物にもよく使われ、日本のうつわでも柔らかい雰囲気がほしいときに活躍。
料理の色をきれいに引き立てるので、盛り付け映えにもぴったりです。
上品で清潔感のある仕上がりを求めるときに選ばれます。
マット釉・結晶釉
マット釉はツヤを抑えた“しっとり質感”が魅力で、最近はカフェ食器でも人気のタイプです☕️
光を柔らかく反射するため、落ち着いたインテリアとの相性もとても良いんですよ。

一方で結晶釉は、焼成時に結晶模様が生まれる華やかな釉薬で、まるで雪の結晶や星空のような表情が出ます。
アート性が高く、一点ものの魅力を強く感じられる釉薬です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 透明釉(とうめいゆう) | 土の色を活かしつつ、つるんとした透明感を出す✨ |
| 灰釉(はいゆう) | 草木の灰を使った自然な色味。柔らかい緑や灰色が出る🌿 |
| 鉄釉(てつゆう) | 鉄分で茶・黒など深い渋みのある色が生まれる🔥 |
| 銅釉(緑・青・辰砂など) | 焼成で緑・青・赤が出る。宝石のような発色が魅力🎨 |
| 錫釉(すずゆう) | 白くやさしい色合いで、ふんわりと上品な雰囲気🤍 |
| マット釉 | ツヤを抑えたしっとり質感。カフェ食器のような雰囲気☕️ |
| 結晶釉 | 焼成中に結晶模様が浮かび上がり、華やかな表情が出る❄️ |
釉薬の色はどうして変わる?|焼き方と金属の力

酸化焼成で出る落ち着いた色
酸化焼成は、窯の中にじゅうぶんな酸素がある状態で焼く方法です🌿
この環境では、釉薬に含まれる金属が“安定した反応”をするため、穏やかで落ち着いた色合いになります。
クリーム色・淡い緑・優しい茶色など、どこかほっとする自然な表情が生まれるのが特徴です。
和食器や素朴な風合いの器と相性が良く、毎日の食卓になじむ色が多いですね。
還元焼成で生まれる深い色
還元焼成は、窯の中の酸素を少なくして焼く方法で、金属成分が“違った反応”を起こすのがポイント🔥
この状態では深い青・渋い黒・幻想的な赤など、ドラマチックで力強い色が出ます。
還元焼成ならではの“奥行きのある色”は、見ているだけで引き込まれる魅力があるんです。
陶芸の世界で有名な辰砂(しんしゃ)の赤も、この還元焼成から生まれます。
鉄・銅・コバルトなど金属の“ひとさじ”で変わる色
釉薬の色は、実は「金属成分」によって大きく変わります🎨
鉄が入ると茶・黒、銅が入ると緑や赤、コバルトが入ると鮮やかな青など、金属ごとに特徴がはっきりしています。
ほんの少しの量でも色が変わるため、職人さんは配合に細心の注意を払っています。
“金属のひとさじで色が生まれる”この仕組みを知ると、釉薬の世界がさらに面白く感じられますね😊✨
| 色が変わる理由 | 説明 |
|---|---|
| 酸化焼成 | 窯の中に酸素が多い状態で焼く方法。クリーム色・淡い緑・優しい茶色など、落ち着いた自然な色が出る🌿 |
| 還元焼成 | 酸素を少なくして焼く方法。深い青・黒・赤など、力強く奥行きのある色が生まれ、辰砂の赤もここから🔥 |
| 金属成分の違い | 鉄=茶・黒、銅=緑・赤、コバルト=青など、金属の“ひとさじ”で色が劇的に変化する🎨 |
越前焼の釉薬とは?|自然釉や無釉の魅力をやさしく紹介

越前焼は“釉薬なしの焼き締め”も多い
越前焼の大きな特徴のひとつが、釉薬を使わずに焼き締めで仕上げる器が多いことなんです🌿
焼き締めは土そのものの色や質感が表れるため、素朴であたたかい雰囲気が生まれます。
使い込むほど手になじみ、少しずつ色が深まっていく経年変化も楽しめるのが魅力です。
「土を味わう器」として、越前焼らしさを感じられる仕上がりですね。
薪窯の灰が自然に溶けてできる“自然釉”
越前焼では薪窯で焼くことも多く、このときに生まれるのが“自然釉”という特別な表情です🔥
薪が燃えると灰が舞い落ち、それが高温で溶けて器の表面にガラスの膜をつくります。
釉薬をかけていないのにツヤや色が出るため、まさに自然が描いた一枚絵のような仕上がりに。
窯の場所や炎の流れで表情が変わるので、世界にひとつしかない器が生まれるんです😊
土・火・灰だけで生まれる独特の色と質感
越前焼は「土・火・灰」という本当にシンプルな要素だけで、豊かな色や質感を生み出します✨
深い赤味・灰が溶けた緑・炎で変化した焦げ色など、自然が作ったとは思えないほど多彩な表情が魅力です。
人工的な釉薬ではなく、素材そのものの力で美しさを生み出すところに越前焼らしさがあります。
豪華すぎず、静かに語りかけてくるような佇まいが、多くの人に愛されている理由ですね。
釉薬Q&A|初心者が気になる5つの疑問

Q1. 釉薬と「うわぐすり」は同じもの?
はい、どちらも同じ意味で使われます😊
“うわぐすり”は昔からの言い方で、器の上にかける薬=釉薬を指しています。
名前が違うだけで役割は同じなので、混乱しなくて大丈夫です。
読み方だけ覚えておけば、陶器を見るときにも役立ちますよ。
Q2. 家庭用電気窯でも釉薬は使える?
家庭用の小型電気窯でも、釉薬を使った焼成はできます🌿
ただし温度が1,200℃まで上がらない場合は、一部の釉薬がうまく溶けないこともあります。
その場合は“低温用の釉薬”を選ぶと、家庭でも綺麗な仕上がりになります。
安全のためにも、必ず窯ごとの温度仕様を確認してくださいね。
Q3. 釉薬は自作できる?危なくない?
釉薬は、灰・石・長石などを揃えれば自作もできますが、粉が細かく舞いやすいので注意が必要です🫧
吸い込むと体に良くないため、必ず換気とマスク着用が必須になります。
初めての方は、市販の調合済み釉薬から試すほうが安心で扱いやすいですよ。
慣れてきたら、配合を変えてオリジナル釉薬に挑戦するのも楽しい世界です。
Q4. 釉薬はどれくらいの厚さでかけると良いの?
釉薬は“薄すぎても厚すぎても”仕上がりに影響するため、ほどよい厚みが大切です🌿
薄いとムラが出て、厚いと流れてしまったり、釉薬が溜まって濁りが出ることがあります。
目安としては、器を見たときに“少し透けるくらいの白濁”がちょうど良いことが多いです。
経験を重ねるほど、自分なりのベストな厚みが分かってきますよ。
Q5. 釉薬は食器として安全なの?
基本的に、市販の陶芸用釉薬は食器として安全に使えるように作られています😊
ただし、金属成分が多い特殊釉薬の場合は、食品に触れる用途に向かないものもあります。
作品展用・観賞用と明記されている釉薬は、食器には使わないのが安心です。
心配な場合は「食品用」「食器可」と表示されている釉薬を選ぶと良いですね。
まとめ|釉薬のポイントをやさしく整理
釉薬は、器の表面にガラスの膜をつくり、美しさと使いやすさを同時に叶えてくれる大切な存在です🌿
成分はとてもシンプルですが、配合や焼成の違いで色・質感・雰囲気が大きく変わり、一つとして同じ表情が生まれないのが魅力です。
越前焼のように自然釉や無釉の世界もあり、釉薬を知ることで焼き物の奥深さをより楽しめるようになりますね😊
初めての方でも、釉薬の仕組みを知るだけで器の見え方がガラッと変わるはずです。
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